狩野紀昭 - Wikipedia 補足(編集中)


「狩野紀昭-Wikipedia」の記述内容について,以下を補足しておく。

(補足情報)

以下の論文には,重大な欠陥がある。

狩野, 紀昭; 瀬楽信彦、高橋文夫、辻新一 (1984). "魅力的品質と当たり前品質". 日本品質管理学会会報『品質』 (in Japanese) 14 (2): 39–48.

(参考資料)

「魅力的品質と当り前品質に関する概念的検討」(富士通(株)国際情報社会科学研究所BRAINWARE,BWNO-OHMA8701,1987)

この資料は,私が約30年前(30歳代前半)に書いたメモであって,若輩者として誤解などもあるかもしれないが,今読み直しても,内容に新鮮さが感じられるので,恥を忍んで公開するものである。

上記の参考資料には記載していないが,狩野紀昭が上記論文で「品質」と言っているのは「機能」である。「品質」と「機能」はまったく異なる概念であり,本来であれば,論文のタイトルは「魅力的機能と当り前機能」とすべきところであったと思う。

また,この狩野流の品質論を製品のライフサイクルのどこで使えるかを考えてみると,以下のとおり,ほとんど有り難くない論であることが分かる。

機能Fを魅力的機能だと想定して,これを実現した製品を市場投入した後,機能Fに関する評価データを得て後にはじめて,機能Fが魅力的機能であるか否かの判断が可能になることから,製品開発・製品設計には使える論ではなく,仮説を検証するだけの論でしかない。さらに,機能Fが魅力的機能であると判断できたとしても,この判断は統計的なものであり,すべてのユーザが機能Fを魅力的機能であると判断するという保証はない。

むしろ,

「要求文同定論-要求とは何か?その文は要求を表現しているか?-」(情報処理学会論文誌, 2019年3月号(Vol. 60, No.3)掲載予定の最終投稿原稿を先行公開中)

の方が役に立つ.これは,産業分野・研究分野を問わず,要求に携わる人達の助けになる言語論を提供している。

論文概要は以下のとおり。

本論文では,少なくとも以下のような内容を含む「所与の文が要求を表現しているか否かを判別するための言語学的知識」を与えた.
(1) 文レベルでの要求概念の定義.
(2) 所与の文(特に単文と複文における主節)が要求を表現しているか否かを判別するために必要な言語学的知識.
(3) 複文の接続節における要求表現に関する言語学的知識.

本論文では上記(1)~(3)の内容からなる言語学的知識を「要求文同定論」と言う.要求文同定論は,様々な産業において要求に携わる技術者・研究者等の助けになるものと期待できる.そのため本論文では特定の産業分野に限定せずに要求文同定論を提供することを目指した.上記(1)については,日本語モダリティ論を手がかりとして要求とは何かについて考察し,文レベルで要求概念を定義した.上記(2)については,ひとつのまとまった言語学的知識として「要求の態度」を明らかにした.上記(3)については,どの接続節が要求を表現し得えて,どの接続節が要求を表現し得ないかに関する言語学的知識を明らかにした.また,要求を表現し得る接続節がどのような場合に要求を表現するのかに関する言語学的知識も明らかにした.上記(2)と(3)は所与の文(単文と複文)が要求を表現しているか否かを判別するための豊かな言語学的知識を与える.本論文では要求文同定のための言語処理技術についても言及した.さらに擬似要求文について検討し,「疑似要求文同定論」への発展の可能性を示唆した.

和文キーワード

要求工学,要求獲得,要求抽出,要求概念の定義,要求文,日本語モダリティ論,話し手の要求,他者の要求,要求の態度,接続節における要求表現,擬似要求文