(8)ソフトウェア品質保証活動の標準化に向けて

        大森晃, 和田昇, 丸山富子

        品質, 19巻, 2号, 25-33, 1989(全9頁)

 

ソフトウェアの社会的役割は,情報社会の進展に伴ってますます拡大化していく傾向にある.こうしたなかソフトウェアの品質保証活動が,ソフトウェア産業が産業として存続していくための不可欠な活動となっている.

 

全社的品質保証活動へのアプローチの一つとして,品質機能展開が日本において発展してきた.そのなかで他産業においては,品質保証活動一覧表,品質保証体系図,QC工程表などの諸種図表の整備を中心として,品質保証活動の標準化が図られてきたようである.ソフトウェア産業においても全社的な品質保証体系図の整備は試みられているが,その他図表の整備,さらにはプロジェクト単位で諸種図表を整備する試みは行われてこなかった.

 

ソフトウェア開発プロジェクトにおける品質保証活動を計画的(行き当たりばったりではなく)・体系的(それぞれの活動がバラバラではなく)・組織的(個人レベルの奉仕的な活動ではなく)に展開していく上で,他産業における品質機能展開の考え方は参考に値する.

 

本論文は,富士通システム部門における事例をもとに,品質機能展開の考え方をソフトウェア開発プロジェクトにおける品質保証活動の標準化にいかに適用できるかを示している.とりわけ,全プロジェクト的(project-wide)な品質保証活動のあり方について,ひとつの具体的な方向を示唆しているという点で価値ある一編である.